レポートの再提出




採点されたレポートがポストの中に入っているのを見ると、いつも期待と不安の入り混じった気持ちでドキドキしながら開封していました。
成績の良し悪しよりもまずは合格か否かという点がまず一番の関心事。

一回で合格できるのならいいのですが、中にはかなりの回数を重ねたものもあります。

一、二回ぐらいならどうにか「次こそは!」と気持ちも切り替えも割と容易にできましたが、それ以上になってくると、再提出するか否かについて葛藤もでてきました。

今回はレポートの再提出に関し、経験談やメンタル面を中心にお話してみたいと思います。

ちょっとした息抜きや応援メッセージになれば幸いです。

**************************

再提出となった場合の対応

レポートの採点結果が合格点ならひとまずほっとして、すぐ講評の内容を確認できましたが、「D」(再提出)というアルファベットが書かれているのを見たときは一瞬ギクリとします。
すぐに中身を確認して書き直しに着手とスムーズにいくことばかりではありません。

あんなに頑張ったのにと思うとショックですぐには中身を読むことができず、そのまま封筒に戻して机の上へということもありました。

更にこれが複数回の提出をしたものだったときは、これ以上どうしたらいいんだろ…もうこの課題見たくない…気持ちは凹みまくりです。

残念ながら合格できなかったレポートへの対応は大きく分けて二つしかありません。

1. 再提出に挑戦する
2. もう提出しない(この科目での単位取得はしない)

どちらを選択するかは状況等で変わってきます。

1. 再提出に挑戦する

とても中身を読む気になれないほどガックリきたときは、私の場合は、とりあえずレポートは中身は読まずにそのまま放置してました。

取り掛かっていた別の科目のレポートの作成を続けたり、試験勉強をするなど全く別のことをしてしばらくそのレポートのことは忘れました。

けれど、面白いもので数日ぐらい過ぎて気持ちも落ち着いてくると必ず、あんなに読みたくなかったレポートの中身が気になり始めます。

なにしろ、このままずっと机の上に置いていても評価が変わるわけでもなければ、合格できるレポートが自動で書き上がっているわけでもありません。
着手が遅くなればなるほど再提出にかけられる時間が減るばかりだという事実がじわじわと頭の中を占めはじめます。
この状態になると、もう再提出のことが気になって逆に他の事が手につきにくくなるので、再提出に着手していました。

しかし、上記のように、時間を置いたらどうにか自然に着手するよう気持ちが動くというものばかりではありませんでした。

これもう何度やっても合格できないんじゃないかと思ったレポートもあり、こういったものは見たくなるのを待っててもなかなかそんな気持ちになれませんでした。

こんなときどうしたかというと、少し視点を変えて考えることでなんとか気持ちを切り替えて再提出に着手していました。

個人的な視点の考えではありますが、同じようになかなか着手できずにいらっしゃる方に、気持ち切り替えのヒントにでもなることがあればと思いましたので、少しそれを書かせていただきます。

さてそれでは…。

レポートが合格点をもらえないとき、とてもガッカリしますよね。
でも、残念に思っているのは採点された学生だけではないと思います。
他に誰が残念に感じていると思われますか?
それは採点をされた先生だと私は思います。

自分が好きな分野で誰かと対話するのはとても楽しいですよね。
相手が全くその分野に興味がない場合でも自分の好きな分野について対話するのはある程度は楽しいとは思いますが、相手が自分と同じ分野に関心をもっていた場合の楽しさは別格ではありませんか?

レポートも一つの対話だと思います。
レポートの課題内容は先生のご専門ですからもちろん先生の関心のとても深い専門分野です。提出してきた学生はその分野に関心があるか、そうでなくてもレポートのために少しは基本的な知識を仕入れているはずで、少なくともレポートの内容に関してはある程度の専門的な対話が成り立つと考えられます。ですからレポート採点って、楽しまれている先生も多くいらっしゃるのではないでしょうか(もちろん一概にそうとは言えないとは思いますが)。

私が先生なら、自分の関心の深い分野について出した課題に対して学生が書いてきたレポートを読むのはきっとすごく楽しい仕事です。

課題に上手く答えてくれたレポートを見るのはとてもうれしいと思います。逆に合格点をあげられないレポートを読んだときは残念に思うのと同時にあれこれ考えてしまうかもしれません。私が先生なら、学生には早く合格点をあげたいですし、せっかく勉強するのなら、レポート等を通じて理解深めてその分野をもっと好きになってほしいと思う気がします。

どこが理解が不足しているのかというのは先生には読めば一目瞭然とは思いますが、理解を深めて合格レポートを書いてもらうためにどう伝えたらよいのかは悩むかもしれません。

書いて伝えるというのは考える時間も書く手間もかなりかかると思います。私たちに返却される採点済レポートにどれだけ多くの先生の時間が投入されたのかなと考えるとレポートの重みが増す気がします。
実際、採点済レポートは丁寧に書かれた講評だけでなく本文にもいろいろな書き込みがあったりと、たくさんの時間と手間をかけていただいたことがわかるものばかりで、採点していただいたからにはきちんと応えなければと感じさせられました。

また、レポートを手紙に例えて考えることもありました。
合格レポートはこちらから出した手紙への先生からのお返事として読むだけでよいもので、合格できなかったレポートは、先生から「お手紙読みましたのでお返事送ります、今度はあなたからのお返事待ってますね」というお手紙をいただいたというイメージでしょうか。
そんなことを考えると、待ってらっしゃるからお返事しなきゃ…という気になっていました。


2. もう提出しない(この科目での単位取得はしない)


私の場合は、一度着手したレポートについては成績はともかく最終的にはなんとか合格点を
いただいて終わることとなりましたが、状況等によってはレポートの再提出をしないという選択肢もありだと思います。

ぱっと見では勿体ないなと感じる選択肢ではないでしょうか。

もちろん、再提出できるのであればそれが一番良いと思います。
その課題を提出するためにこれまでもたくさん時間をかけてきたはずです。
提出しないとなれば、勉強したという事実は記憶として自分の中には残りますが、自分はもちろん、先生が採点に割いてくださった手間と時間などそのレポート課題の提出のために費やされたものが最終的に単位として目に見える形となりうる可能性はなくなります。

それでもこの選択肢をとる理由としては、例えば、課題に着手したものの興味が持てずこの科目の勉強を続ける気になれない、課題の有効期限が迫っていてそれまでに再提出するのはどう考えても厳しい等といったことが考えられます。そのほか個人的なことでもやむを得ない事情が生じることはいくらでもあり得ると思います。

単位を取れる科目が他にあるなら、思い切って別の科目にチャレンジするのも卒業への戦略のひとつかと思います。

ただし、もし課題から逃げたい一心で提出しないという手段をとるのはおすすめしません。
例えば私の場合は、チャンスはあったのにチャレンジしなかったという悔いが残ってしまいがちな傾向があるので、なるべく最後までチャレンジするという選択をすると思いますが、押すにしても引くにしてもそのとき決断して取らなかった選択肢については後であれこれ悩まない、という方もいらっしゃると思います。
何を選択するにしてもご自身の性格等も判断材料に加えたほうがよいかもしれません。

また、合格したレポートの数がまだ少ないという段階でもこの手段はおすすめしません。
合格点がもらえない理由がまだレポート作法のようなものな基本的なことがよく理解できていないからという場合もあります。
この状態で他の科目に着手しても合格点がもらえるレベルのレポートを書き上げるのが難しい可能性があります。


まとめ

レポートの再提出をするか否かについて何か少しでもヒントにしていただけることがありましたらうれしく思います。どちらにしても悩んで出されたご自身の選択結果にどうぞ自信を持ってください。

以下、レポート再提出とは少し話がずれてしまいますが、
これが正解だと思って選んだものも、自分の思う正解と他人の思う正解は異なっているかもしれませんし、後で振り返ったときになんだか違っていたかもと感じることもあるかもしれません。そもそも人生は自分の選択はすべて正解なんだ、という考え方も聞きます。
人生何がいいのか本当にわかりません。

ひとつ実感していることは、こうして今、勉強など自分がやりたいと思うことに気持ちや時間を注げる機会が与えられているというのはとても幸運で貴重なことであるという事実だと思います。
私がこの記事を書いている時間もそうですが、自分のやろうとすることのために使える時間というものは、誰もが簡単に手にできるとは限らないんだと年々強く感じるようになってきました。どうぞ今手にしている貴重な機会を大切にしていただけたらと思います。


応援しています。

読んでいただきありがとうございました。