不動産物権変動の対抗要件に関する課題です。何が何だか…という状態から課題に取り組みましたが、この課題内容はどの参考書にも記載があるような基本的なものだったので、複数の書籍を読んでなんとかまとめることができました。
どんな科目?(本科目について簡単にご紹介)
物権法は、物を直接に支配する権利を扱う法律です。直接に支配するとは、他人の行為を介在せず権利の客体である物から利益を得ることができることを意味します。
課題情報(課題の概略や成績など)
1 |
科目 |
物権法 |
2 |
課題概略 |
不動産物権変動の対抗要件に関するものです。 |
3 |
課題タイプ |
述べなさい。 |
4 |
提出形式 |
手書き(ワープロ不可) |
5 |
評価 |
A |
6 |
レポート構成 |
① 課題提起 ② 客観的要件 ③ 適用外 ④ 主観的要件 ⑤ 結論 |
7 |
文字数制限 |
4000字 |
8 |
本文文字数 |
3877字 |
9 |
備考 |
・法的性格についての分析が不十分な点のご指摘とともに改善点についてアドバイスをいただいています。 ・2つの課題から1つを選択して書くものでした。 ・ご指摘いただいた内容全体から考えると、 本レポートにAをいただけたのは先生の恩情という気がします。(^-^; |
分析(文章をまとまり毎に表形式で整理)
1
|
課題提起
|
序
不動産物権変動とは、土地およびその定着物でその所在が固定しているもの(民法第86条)に対する権利の発生・変更・消滅のことをいう。
物権変動そのものは意思表示のみによって生じる(民法第176条)。
しかし、この変動について第三者に対抗しようとする際には、相手に対して物権変動が生じた事実を明らかにする公示が必要となり、その手段として登記が必要である(民法第177条)。
登記とは、国が作成管理する登記簿に物権変動の事実及びその内容を記載すること、またはその記載された内容そのもののことを指す。
ここでいう登記がないと対抗できない第三者とはどのような者のことを指すのだろうか。以下に考察したい。
|
2
|
客観的要件
|
第1章:第三者の範囲
民法第177条には「第三者」とあるのみで第三者について具体的な定義がない。
第三者を当事者及び包括承継者以外のすべての者と考えることもできるが、これでは全くの無権利者に対しても登記が対抗要件ということになる。
しかし、無権利者のような立場の者に対してまで登記を対抗要件とするのは、正当な権利者に酷であるとも考えられることから、第三者の解釈に何らかの制限が必要ではないかが問題となる。
そもそも、177条の規定の趣旨は、物権変動を公示することにより、同一の不動産につき正当な権利・利益を有する第三者に不測の損害を与えないようにすることにある。
それならば、正当な権利・利益を有しない者については保護の必要性がなく、第三者の範囲は制限するべきではないだろうか。
177条の趣旨から、第三者とは当事者及びその包括承継人以外の者で、不動産に関する物権の得喪について、登記の決缼を主張する正当な利益を有する者と解することが妥当であると考える。
それでは、具体的にはどのような者が登記なくしては対抗できない第三者となるのだろうか。その客観的用件を以下に述べたい。
(1) 取消
取消後の第三者の保護には登記が必要である。
これは、復帰的物権変動としての構成とすることによるものである。
例えば、AからBにある不動産が譲渡され、所有権移転登記がなされた。
その後、Bは第三者Cに当該不動産を譲渡した。
さらにその後、Aは、AからBへの当該不動産の譲渡について詐欺を理由に取り消したとする。
この場合において、取消によってAからBへの物権移転が遡及的に無効になると考えるのではなく、AからBへの物権移転は有効とし、取消により更にBからAへの物権移転があったかのように考えるのである。
このように考えると、Bを起点にして、BからAへの物権移転と、BからCへの物権移転が二重になされたことになり、対抗要件として登記を具備することによってAとCとの紛争が解決される。
このような詐欺取消後の第三者だけでなく、制限行為能力取消後、強迫取消後の第三者保護についても登記を必要とする。
なお、取消前の第三者については、制限行為能力取消と強迫取消については保護されず、詐欺取消ならば善意であれば保護される。
(2)解除
解除前の第三者は民法第545条1項ただし書きにより保護され、判例(大判大10.5.17民録27輯929頁)では対抗要件としての登記が必要とされる。解除後の第三者についても登記は必要とされる。
解除後は登記を元に戻すことができるため、解除したにもかかわらず登記を元に戻さない者がそのことによって不利益を受けることはやむを得ないと考えるからである。
(3)取得時効
時効による所有権の取得について第三者に対抗するために登記が必要か否かについて、時効の起算点を「時効の基礎たる事実の開始せられたる時点」への固定を前提として、時効完成後の第三者に対して時効取得者が時効取得を主張するには登記が必要と考える。
時効完成後の第三者との関係では、登記名義人から時効取得者と第三者への二重譲渡と見ることができるため対抗関係に立つからである。
(4)相続
相続については原則として登記がなくても第三者に対抗できるが、遺産分割後の第三者である譲受人(差押債権者)に対しては遺産分割による持分の取得について登記が対抗要件となる。
なぜなら、遺産分割後は確定的に所有権を取得しているといえるので、対抗に登記を要求することは酷とは言えず、何ら不都合もないからである。
(5)公売
強制競売、任意競売、租税滞納処分に基づく競馬といった公売に基づく物権変動を第三者に対抗するのには登記が必要である。
というのは、公売は債務者の意思には関係なく国家機関により強制的に行なわれるところに特殊性があり、これは取引の安全面からは、売買と同じとして扱うべきであると考えられるからである。
(6)処分の制限
民法第177条の「変更」にあたるものとして、不動産業者が、不動産の処分を制限されることがある。
例えば、永小作権譲渡・永小作地賃貸の禁止(民法第272条ただし書き)等があり、これらはその旨登記しなければ第三者に対抗できない。
また、民事執行手続き上の差押えなどの意思表示に基づかないものについても登記が第三者対抗要件となる。
(7)権利の消滅
権利が消滅した場合は、民法第177条にいう権利の得喪の「喪」にあたるため、原則として登記がなければ権利消滅を第三者に主張できない。
例外として、抵当権の被担保債権の消滅や存続期間が法定されている不動産物権の存続期間が満了した場合には、第三者対抗に登記は不要である。
|
3
|
適用外
|
第2章:第三者にあたらない者
これまで、不動産の所有権など物権を取得した者が、登記がないと対抗できない第三者について述べてきたが、ここで考慮しておかなくてはならないことがある。
それは、第1章でも触れたが、登記をしない限り不法行為者のような者に対しても登記が対抗要件となるのかということである。
この点について判例(大連判明治41年12月15日民録14輯1276頁等)は、第三者にあたらない者を示すことにより以下のように制限している。
(1)不動産登記法5条に列挙されている者
これは、具体的には、詐欺や強迫によって登記の申請を妨げた者、また他人のために登記の申請をする義務のある者のことをいう。
(2) 無権理の名義人
無効な登記の名義人は第三者にはあたらない。例えば、通謀虚偽表示の相手方、相続欠格者などが、自己に相続登記をした上でその不動産を第三者に譲渡した場合などが挙げられる。
(3) 不法占拠者・不法行為者
不法に土地や不動産を占拠している者や、自己所有でない建物への放火といった不法行為者に対しての対抗に登記は不用である。
(4) 前主・後主の関係にある者
最初の所有者AからBに所有者が移転したものが、更にCに移転したような場合のAとCの関係について、当事者の延長という考え方からCがAに所有権を対抗するのには登記は不用である。
(5) 背信的悪意者
実体上物権変動があったという事実を知りながら、その物権変動についての登記の欠缺を主張することが信義に反すると認められる事情がある者に対しての対抗に登記は不用である。
|
4
|
主観的要件
|
第3章: 第三者の主観的用件
ところで、先に登記がないと対抗できない第三者について客観的用件を述べたが、それでは主観的要件についてはどうだろうか。
判例(最判昭和40年12月21日民集19巻9号2221号等)では、二重譲渡などの場面において、第2譲受人が先に登記を備えた場合はその者が保護されることになるのだが、その際に背信的悪意者である場合を除き、その善意・悪意は問わないとしている。
これは、不動産取引全体の秩序を守るためには登記と実体をできる限り一致させていくことが重要であると考えられるからである。
悪意であっても保護されるという事実は、所有者への一種の警告となり、取引に際し、迅速な登記を促すことにつながると考えられる。
|
5
|
結論
|
結論
先に述べたように、登記がないと対抗できない第三者について民法第177条には、「第三者」という文言以外の明確な規定がない。
そのため、現在はこの第三者については主に学説や判例の蓄積によって具体的事例に対する判断がなされてきた。
しかし、現在、情報化の急速な進展により、インターネットによる不動産取引など、自由競争社会のもと、従来では考えられなかったような新しい取引形態が生じ、選択枝が広がることや手続の効率化が進むなど良い面がある一方で、相手が見えないことによる詐欺取引や、取引情報の漏洩など、トラブルも様々な形のものが出てきており、第三者についても、従来の判例や学説などからの判断が難しいものも増えている。
今後も時代の変化とともに、更に従来の判断が通用しない事例が増える可能性は高いと思われる。
しかしながら、どのような時代になっても、不動産物権変動において大切なのは、その取引が安全であることであるのではないだろうか。
この、取引の安全とは、単に一人ひとりの利害関係を見るのではなく、不動産取引秩序全体を見据えたものであるべきではないかと考える。
個人の利害関係のみ考慮していては、利害関係の衝突などが重なることにより不動産取引全体の秩序が乱れ、結果的には個人の利害関係も考慮できなくなってしまうと考えるからである。
登記がないと対抗できない第三者がどういったものなのかということについても、常にこれらのことを考慮し、その時代の社会における不動産取引秩序維持という観点から判断していく必要があると考えている。
|
略語一覧
|
<略語一覧>
・ 大判・・・大審院判決
・ 民録・・・大審院民事判決録
・ 大連判・・・大審院連合部判決
・ 最判・・・最高裁判決
・ 民集・・・最高裁判所民事判例集
|
|
7
|
参考文献
|
<参考文献>
・ 玉田弘毅 編「民法小事典 改訂版」住宅新報社2001年
・ 川井健 著「民法入門 第五版」有斐閣2005年
・ 山野目章夫「民法 総則・物権 第3版」有斐閣2005年
・ 篠塚昭次 監修「口語六法全書 物権法」自由国民社2003年(補訂版)
・遠藤浩・鎌田薰 編 「基本法コンメンタール 物権 第五版」日本評論社2002年
・菅野和夫 他編「ポケット六法 平成18年版」有斐閣2005年
・星野英一、平井宜雄、能見善久 編「民法判例百選1 総則・物権 第5版新法対応補正版
別冊ジュリスト (No.175)」有斐閣2005年
|
文章のみ(レポートをそのまま文章のみ掲載。ざっと読みたいという方に)
序
不動産物権変動とは、土地およびその定着物でその所在が固定しているもの(民法第86条)に対する権利の発生・変更・消滅のことをいう。物権変動そのものは意思表示のみによって生じる(民法第176条)。しかし、この変動について第三者に対抗しようとする際には、相手に対して物権変動が生じた事実を明らかにする公示が必要となり、その手段として登記が必要である(民法第177条)。登記とは、国が作成管理する登記簿に物権変動の事実及びその内容を記載すること、またはその記載された内容そのもののことを指す。ここでいう登記がないと対抗できない第三者とはどのような者のことを指すのだろうか。以下に考察したい。
第1章:第三者の客観的用件
民法第177条には「第三者」とあるのみで第三者について具体的な定義がない。第三者を当事者及び包括承継者以外のすべての者と考えることもできるが、これでは全くの無権利者に対しても登記が対抗要件ということになる。しかし、無権利者のような立場の者に対してまで登記を対抗要件とするのは、正当な権利者に酷であるとも考えられることから、第三者の解釈に何らかの制限が必要ではないかが問題となる。そもそも、177条の規定の趣旨は、物権変動を公示することにより、同一の不動産につき正当な権利・利益を有する第三者に不測の損害を与えないようにすることにある。それならば、正当な権利・利益を有しない者については保護の必要性がなく、第三者の範囲は制限するべきではないだろうか。177条の趣旨から、第三者とは当事者及びその包括承継人以外の者で、不動産に関する物権の得喪について、登記の決缼を主張する正当な利益を有する者と解することが妥当であると考える。
具体的にはどのような者が登記なくしては対抗できない第三者となるのだろうか。客観的用件を以下に述べたい。
(1) 取消
取消後の第三者の保護には登記が必要である。これは、復帰的物権変動としての構成とすることによるものである。例えば、AからBにある不動産が譲渡され、所有権移転登記がなされた。その後、Bは第三者Cに当該不動産を譲渡した。さらにその後、Aは、AからBへの当該不動産の譲渡について詐欺を理由に取り消したとする。この場合において、取消によってAからBへの物権移転が遡及的に無効になると考えるのではなく、AからBへの物権移転は有効とし、取消により更にBからAへの物権移転があったかのように考えるのである。このように考えると、Bを起点にして、BからAへの物権移転と、BからCへの物権移転が二重になされたことになり、対抗要件として登記を具備することによってAとCとの紛争が解決される。このような詐欺取消後の第三者だけでなく、制限行為能力取消後、強迫取消後の第三者保護についても登記を必要とする。なお、取消前の第三者については、制限行為能力取消と強迫取消については保護されず、詐欺取消ならば善意であれば保護される。
(2)解除
解除前の第三者は民法第545条1項ただし書きにより保護され、判例(大判大10.5.17民録27輯929頁)では対抗要件としての登記が必要とされる。解除後の第三者についても登記は必要とされる。解除後は登記を元に戻すことができるため、解除したにもかかわらず登記を元に戻さない者がそのことによって不利益を受けることはやむを得ないと考えるからである。
(3)取得時効
時効による所有権の取得について第三者に対抗するために登記が必要か否かについて、時効の起算点を「時効の基礎たる事実の開始せられたる時点」への固定を前提として、時効完成後の第三者に対して時効取得者が時効取得を主張するには登記が必要と考える。時効完成後の第三者との関係では、登記名義人から時効取得者と第三者への二重譲渡と見ることができるため対抗関係に立つからである。
(4)相続
相続については原則として登記がなくても第三者に対抗できるが、遺産分割後の第三者である譲受人(差押債権者)に対しては遺産分割による持分の取得について登記が対抗要件となる。なぜなら、遺産分割後は確定的に所有権を取得しているといえるので、対抗に登記を要求することは酷とは言えず、何ら不都合もないからである。
(5)公売
強制競売、任意競売、租税滞納処分に基づく競馬といった公売に基づく物権変動を第三者に対抗するのには登記が必要である。というのは、公売は債務者の意思には関係なく国家機関により強制的に行なわれるところに特殊性があり、これは取引の安全面からは、売買と同じとして扱うべきであると考えられるからである。
(6)処分の制限
民法第177条の「変更」にあたるものとして、不動産業者が、不動産の処分を制限されることがある。例えば、永小作権譲渡・永小作地賃貸の禁止(民法第272条ただし書き)等があり、これらはその旨登記しなければ第三者に対抗できない。また、民事執行手続き上の差押えなどの意思表示に基づかないものについても登記が第三者対抗要件となる。
(7)権利の消滅
権利が消滅した場合は、民法第177条にいう権利の得喪の「喪」にあたるため、原則として登記がなければ権利消滅を第三者に主張できない。例外として、抵当権の被担保債権の消滅や存続期間が法定されている不動産物権の存続期間が満了した場合には、第三者対抗に登記は不要である。
第2章:第三者にあたらない者
これまで、不動産の所有権など物権を取得した者が、登記がないと対抗できない第三者について述べてきたが、ここで考慮しておかなくてはならないことがある。それは、第1章でも触れたが、登記をしない限り不法行為者のような者に対しても登記が対抗要件となるのかということである。この点について判例(大連判明治41年12月15日民録14輯1276頁等)は、第三者にあたらない者を示すことにより以下のように制限している。
(1)不動産登記法5条に列挙されている者
これは、具体的には、詐欺や強迫によって登記の申請を妨げた者、また他人のために登記の申請をする義務のある者のことをいう。
(2) 無権理の名義人
無効な登記の名義人は第三者にはあたらない。例えば、通謀虚偽表示の相手方、相続欠格者などが、自己に相続登記をした上でその不動産を第三者に譲渡した場合などが挙げられる。
(3) 不法占拠者・不法行為者
不法に土地や不動産を占拠している者や、自己所有でない建物への放火といった不法行為者に対しての対抗に登記は不用である。
(4) 前主・後主の関係にある者
最初の所有者AからBに所有者が移転したものが、更にCに移転したような場合のAとCの関係について、当事者の延長という考え方からCがAに所有権を対抗するのには登記は不用である。
(5) 背信的悪意者
実体上物権変動があったという事実を知りながら、その物権変動についての登記の欠缺を主張することが信義に反すると認められる事情がある者に対しての対抗に登記は不用である。
第3章: 第三者の主観的用件
ところで、先に登記がないと対抗できない第三者について客観的用件を述べたが、それでは主観的要件についてはどうだろうか。判例(最判昭和40年12月21日民集19巻9号2221号等)では、二重譲渡などの場面において、第2譲受人が先に登記を備えた場合はその者が保護されることになるのだが、その際に背信的悪意者である場合を除き、その善意・悪意は問わないとしている。これは、不動産取引全体の秩序を守るためには登記と実体をできる限り一致させていくことが重要であると考えられるからである。悪意であっても保護されるという事実は、所有者への一種の警告となり、取引に際し、迅速な登記を促すことにつながると考えられる。
結論
先に述べたように、登記がないと対抗できない第三者について民法第177条には、「第三者」という文言以外の明確な規定がない。そのため、現在はこの第三者については主に学説や判例の蓄積によって具体的事例に対する判断がなされてきた。
しかし、現在、情報化の急速な進展により、インターネットによる不動産取引など、自由競争社会のもと、従来では考えられなかったような新しい取引形態が生じ、選択枝が広がることや手続の効率化が進むなど良い面がある一方で、相手が見えないことによる詐欺取引や、取引情報の漏洩など、トラブルも様々な形のものが出てきており、第三者についても、従来の判例や学説などからの判断が難しいものも増えている。
今後も時代の変化とともに、更に従来の判断が通用しない事例が増える可能性は高いと思われる。しかしながら、どのような時代になっても、不動産物権変動において大切なのは、その取引が安全であることであるのではないだろうか。この、取引の安全とは、単に一人ひとりの利害関係を見るのではなく、不動産取引秩序全体を見据えたものであるべきではないかと考える。個人の利害関係のみ考慮していては、利害関係の衝突などが重なることにより不動産取引全体の秩序が乱れ、結果的には個人の利害関係も考慮できなくなってしまうと考えるからである。
登記がないと対抗できない第三者がどういったものなのかということについても、常にこれらのことを考慮し、その時代の社会における不動産取引秩序維持という観点から判断していく必要があると考えている。
<略語一覧>
・ 大判・・・大審院判決
・ 民録・・・大審院民事判決録
・ 大連判・・・大審院連合部判決
・ 最判・・・最高裁判決
・ 民集・・・最高裁判所民事判例集
<参考文献>
・ 玉田弘毅 編「民法小事典 改訂版」住宅新報社2001年
・ 川井健 著「民法入門 第五版」有斐閣2005年
・ 山野目章夫「民法 総則・物権 第3版」有斐閣2005年
・ 篠塚昭次 監修「口語六法全書 物権法」自由国民社2003年(補訂版)
・ 遠藤浩・鎌田薰 編 「基本法コンメンタール 物権 第五版」日本評論社2002年
・ 菅野和夫 他編「ポケット六法 平成18年版」有斐閣2005年
・ 星野英一、平井宜雄、能見善久 編「民法判例百選1 総則・物権 第5版新法対応補正版 別冊ジュリスト (No.175)」有斐閣2005年