地球におけるグローバル炭素循環に関する課題です。正直初めて見たときは言葉の意味がさっぱり…グローバル炭素循環なんて言葉は初めて聞きましたが、この学問では基礎的な内容のようです。
どんな科目?(本科目について簡単にご紹介)
地学とは、地球とその構成物質に関する科学の総称を指しています。研究対象分野には地質学、地球化学、地球物理学、岩石学、鉱物学、海洋学、気象学などを含んでいます。
課題情報(課題の概略や成績など)
1 |
科目 |
地学 (課題2) |
2 |
課題概略 |
地球におけるグローバル炭素循環に関するもの |
3 |
課題タイプ |
説明せよ |
4 |
提出形式 |
手書き(ワープロ不可) |
5 |
評価 |
B |
6 |
レポート構成 |
1 課題定義 2 説明1(定義文言の堀下げ1) 3 説明2(定義文言の堀下げ2) 4 問い提起 5 問への答え 6 まとめ 7 引用文献・参考文献 |
7 |
文字数制限 |
2000字 |
8 |
本文文字数 |
1807字 |
9 |
備考 |
・記載の不足部分についてご指摘をいただいています。 ・5で自らの「問い提起」がありますが、6として記載しているその答えは考察という形ではなくほとんどが仕入れた情報の説明となっています。課題が「論ぜよ」ではないので説明を淡々と書いています。 |
分析(文章をまとまり毎に表形式で整理)
1
|
課題定義
|
地球におけるグローバル炭素循環とは全地球レベルでの炭素の物質循環のことをいう。
|
2
|
説明1
(定義文言の堀り下げ1)
|
炭素は地球上において、大気、海洋、固体地球の間を、さまざまに形を変えながら循環しており、地球表層では、主に以下に述べる5つの形態で存在している。
1つ目は堆積物としての炭酸塩、または炭酸塩岩という形である。これが5つの形態の中で全体の9割以上を占めている。
2つ目は大気中の二酸化炭素という形である。近年、産業発展に伴う増加が著しい。
3つ目は海洋水にイオンの形で溶け込んだものである。このうち98%が深海にある。
4つ目は化石燃料としての形である。石油や石炭が代表的である。
5つ目は陸上生物の一部としての形である。中でも植物が炭素の固定に大きな働きをしている。
|
3
|
説明2(定義文言の堀り下げ2)
|
これら炭素の循環には短期のものと長期のものがある。
短期的循環は主に地表付近で生物、水、大気の間で行なわれている。陸上や海などに存在する生物が死ぬと有機的に分解される。
これが酸化作用を受けることにより、二酸化炭素の形で大気、海中に放出される。
大気中に放出されたこれらの二酸化炭素は、植物の光合成に使われたり、海水によって吸収されたりする。
海中に吸収されたものは海中に生息するサンゴや貝などの生物によって炭酸塩の形に変えられていく。
この炭酸塩はそのまま海底に沈殿するほか、一部は海水に溶かされる。
海底に有機物としての形のまま沈殿したものの一部は、地球の温暖期に氷河が溶けた冷たく酸素を多く含み海底に沈み込んだ水などにより分解され、二酸化炭素を発生させて海中と大気中の二酸化炭素へと循環する。
長期的循環は主に水とともに地殻とマントルの間で行なわれている。
岩石は長い年月をかけて風化や浸食作用により分解される。
主に、大気中に二酸化炭素として放出されるものとイオンの形で海に運ばれるものがある。これらは生物活動を通して炭酸塩となって堆積する。
海底に沈殿した炭酸塩鉱物や有機物は、プレート運動によって移動し、一部は大陸縁辺に付加される。
また、海溝に運ばれてプレートとともに大陸の地下深部へと沈み込んでいくものもある。
沈み込んだものはその過程での温度や圧力の上昇に伴い、周囲の珪酸塩鉱物と反応して二酸化炭素を分離し火山ガスや熱水とともに再び二酸化炭素として大気中に出てくる。
更に深部に行ったものは変成作用により脱ガスされる。ここで変成作用を起こさなかった炭素はやがてマントルへと移動し、その一部は海嶺から再び二酸化炭素として海洋へ放出される。
この循環には数千万年から数億年単位の長い時間がかかる。
|
4
|
問い提起
|
グローバル炭素循環は地球にとってどのような影響があるのだろうか。
|
5
|
問への答え
|
一番大きく影響を受けているのは地球の気温である。
炭素の形態のひとつである二酸化炭素には温室効果があることから、その循環が地球表層の温度を大きく左右している。
地球には炭素の二酸化炭素としての量を調整して大気温度を一定に保とうとする機能があり、およそ1万年という長いサイクル時間をかけてゆっくり気温を調節してきている。
例えば、二酸化炭素が増えて温暖化が進んだ場合は大気中の飽和水蒸気増加により雨量が増える。雨は土壌の風化作用を促し、結果として大気中の二酸化炭素量を減らすことになり気温低下につながる。
逆に地球が寒冷化した場合、つまり大気中の二酸化炭素が減少した場合には、海水への二酸化炭素の溶解度が減少するために海水の蒸発量が減る。
これが大気中の二酸化炭素の濃度を増加させることになり気温の上昇を促す。このような形で過去16万年間に二酸化炭素濃度は増減を繰り返し、80PPmの増減に伴い温度が10℃増減したことが(注1)わかっている。
ところが、産業革命後から化石燃料などを大量消費するようになり、わずかこの250年ほどの間で急速に80PPmもの濃度が増加している。
その間の気温は0.8℃しか上昇していないが、この理由についてはいまだ不明である。
しかし、人間が地球の自然サイクルを急激に破壊しつつあることは明確である
|
6
|
まとめ
|
グローバル炭素循環のバランスが崩れることは地球気温の調整機能を失うことであり、地球に未曾有の変化をもたらすことになりかねない。
それは地球上のすべての生物にとって脅威である。
それを防ぐために、まずは循環のしくみを理解し、その機能が崩壊することのないよう、人間社会の産業発展そのものを、炭素循環に影響を及ぼさないものに変えなくてはならないのではないかと考えている。
|
7
|
引用文献・参考文献
|
<引用文献>
(注1) 酒井治孝 著「地球学入門」東海大学出版会2003年 P.27
<参考文献>
l
酒井治孝 著「地球学入門」東海大学出版会2003年
l
松尾禎士 監修「地球化学」講談社サイエンティフィク1989年
|
文章のみ(レポートをそのまま文章のみ掲載。ざっと読みたいという方に)
地球におけるグローバル炭素循環とは全地球レベルでの炭素の物質循環のことをいう。
炭素は地球上において、大気、海洋、固体地球の間を、さまざまに形を変えながら循環しており、地球表層では、主に以下に述べる5つの形態で存在している。
1つ目は堆積物としての炭酸塩、または炭酸塩岩という形である。これが5つの形態の中で全体の9割以上を占めている。
2つ目は大気中の二酸化炭素という形である。近年、産業発展に伴う増加が著しい。
3つ目は海洋水にイオンの形で溶け込んだものである。このうち98%が深海にある。
4つ目は化石燃料としての形である。石油や石炭が代表的である。
5つ目は陸上生物の一部としての形である。中でも植物が炭素の固定に大きな働きをしている。
これら炭素の循環には短期のものと長期のものがある。
短期的循環は主に地表付近で生物、水、大気の間で行なわれている。陸上や海などに存在する生物が死ぬと有機的に分解される。これが酸化作用を受けることにより、二酸化炭素の形で大気、海中に放出される。大気中に放出されたこれらの二酸化炭素は、植物の光合成に使われたり、海水によって吸収されたりする。海中に吸収されたものは海中に生息するサンゴや貝などの生物によって炭酸塩の形に変えられていく。この炭酸塩はそのまま海底に沈殿するほか、一部は海水に溶かされる。海底に有機物としての形のまま沈殿したものの一部は、地球の温暖期に氷河が溶けた冷たく酸素を多く含み海底に沈み込んだ水などにより分解され、二酸化炭素を発生させて海中と大気中の二酸化炭素へと循環する。
長期的循環は主に水とともに地殻とマントルの間で行なわれている。岩石は長い年月をかけて風化や浸食作用により分解される。主に、大気中に二酸化炭素として放出されるものとイオンの形で海に運ばれるものがある。これらは生物活動を通して炭酸塩となって堆積する。海底に沈殿した炭酸塩鉱物や有機物は、プレート運動によって移動し、一部は大陸縁辺に付加される。また、海溝に運ばれてプレートとともに大陸の地下深部へと沈み込んでいくものもある。沈み込んだものはその過程での温度や圧力の上昇に伴い、周囲の珪酸塩鉱物と反応して二酸化炭素を分離し火山ガスや熱水とともに再び二酸化炭素として大気中に出てくる。更に深部に行ったものは変成作用により脱ガスされる。ここで変成作用を起こさなかった炭素はやがてマントルへと移動し、その一部は海嶺から再び二酸化炭素として海洋へ放出される。この循環には数千万年から数億年単位の長い時間がかかる。
長期的循環は主に水とともに地殻とマントルの間で行なわれている。岩石は長い年月をかけて風化や浸食作用により分解される。主に、大気中に二酸化炭素として放出されるものとイオンの形で海に運ばれるものがある。これらは生物活動を通して炭酸塩となって堆積する。海底に沈殿した炭酸塩鉱物や有機物は、プレート運動によって移動し、一部は大陸縁辺に付加される。また、海溝に運ばれてプレートとともに大陸の地下深部へと沈み込んでいくものもある。沈み込んだものはその過程での温度や圧力の上昇に伴い、周囲の珪酸塩鉱物と反応して二酸化炭素を分離し火山ガスや熱水とともに再び二酸化炭素として大気中に出てくる。更に深部に行ったものは変成作用により脱ガスされる。ここで変成作用を起こさなかった炭素はやがてマントルへと移動し、その一部は海嶺から再び二酸化炭素として海洋へ放出される。この循環には数千万年から数億年単位の長い時間がかかる。
グローバル炭素循環は地球にとってどのような影響があるのだろうか。
一番大きく影響を受けているのは地球の気温である。炭素の形態のひとつである二酸化炭素には温室効果があることから、その循環が地球表層の温度を大きく左右している。
地球には炭素の二酸化炭素としての量を調整して大気温度を一定に保とうとする機能があり、およそ1万年という長いサイクル時間をかけてゆっくり気温を調節してきている。
例えば、二酸化炭素が増えて温暖化が進んだ場合は大気中の飽和水蒸気増加により雨量が増える。雨は土壌の風化作用を促し、結果として大気中の二酸化炭素量を減らすことになり気温低下につながる。逆に地球が寒冷化した場合、つまり大気中の二酸化炭素が減少した場合には、海水への二酸化炭素の溶解度が減少するために海水の蒸発量が減る。これが大気中の二酸化炭素の濃度を増加させることになり気温の上昇を促す。このような形で過去16万年間に二酸化炭素濃度は増減を繰り返し、80PPmの増減に伴い温度が10℃増減したことが(注1)わかっている。
ところが、産業革命後から化石燃料などを大量消費するようになり、わずかこの250年ほどの間で急速に80PPmもの濃度が増加している。その間の気温は0.8℃しか上昇していないが、この理由についてはいまだ不明である。しかし、人間が地球の自然サイクルを急激に破壊しつつあることは明確である。
グローバル炭素循環のバランスが崩れることは地球気温の調整機能を失うことであり、地球に未曾有の変化をもたらすことになりかねない。それは地球上のすべての生物にとって脅威である。それを防ぐために、まずは循環のしくみを理解し、その機能が崩壊することのないよう、人間社会の産業発展そのものを、炭素循環に影響を及ぼさないものに変えなくてはならないのではないかと考えている。
<引用文献>
(注1) 酒井治孝 著「地球学入門」東海大学出版会2003年 P.27
<参考文献>
l 酒井治孝 著「地球学入門」東海大学出版会2003年
l 松尾禎士 監修「地球化学」講談社サイエンティフィク1989年