■簿記検定3級を再受験して合格した話。



慶應通信とは全く関係のない話で恐縮なのですが、最近の勉強に関する話も少ししてみたいと思います。よろしければお付き合いください。

簿記検定3級第148回(2018.2月)を受験しましたが67点で落ち、第149回(2018.6月)で再受験、今度は95点で無事合格。ほっとしました。

3級は簡単という噂を聞いたこともあったので気楽に勉強を始めたのですが、とんでもない、私には難しい試験でした。全然簡単ではありません。

一回目の受験後、70点が合格ラインなので、惜しい、あと一問合っていたら…と点数を知ったときは思っていたのですが、第149回のリベンジ受験に向けて勉強を進めていく中で、実は惜しいどころか全然勉強が足りてなかったことがわかりました。落ちたとはいえ、よくギリギリの点が取れたと思うぐらいです。



2回の受験を振り返って気づいたことなど書いてみます。


簿記検定なんて名前ぐらいしか知らないんだけど…という方に試験概略だけ


【主催】   商工会議所(簿記検定HPはこちら
【開催】   2,6,11月の年3
【試験内容】 3級はざっくりいうと個人事業主向けの内容(2級は企業会計)
【試験時間】 2時間
【出題】   大問が5つ出題される。
       問題用紙、解答用紙ともにA4で各3枚程度とシンプル。
       計算用のメモ用紙としてA4白紙が1枚別に配布される。

【その他】 ・各問は毎回ある程度出題傾向がはっきりしているため、
       受験対策本などでは、各問毎の対策を示していることが多い。
      
      ・第3問と第5問は毎回配点が各30点と大きく、解答に際して
       は、電卓を利用する細かな作業が多く必要となる問題の
       出題が多い。

     


1.第148回受験

【使用テキストと問題集】

テキスト…みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商3級 商業簿記 第5版
      (みんなが欲しかったシリーズ)2017年
   ※1.どこの書店でも平積みで置いてあるような超有名テキストのうちの一つです。
           2.リンク先は第6版(2018年)です。

問題集……合格するための過去問題集 日商簿記3級 '18年2月検定対策
      (よくわかる簿記シリーズ)
      ※リンク先は18年11月受験用です

【試験勉強】


①テキスト読み…2017.12月中旬~10日程度
②過去問……  2018.1月~テスト前日まで

過去問は第149回を受けるときには使わなかったものの、余裕があればやはり一度はやっておくと良いと思います。

テキストを読んだ後にやったことは過去問解きだけです。これが難しくて全く予定通りに進みませんでした。わからないところをテキストで確認しつつ、2回目を解いたところで時間切れ。1回目は全問きちんと解きましたが、2回目はやり方がわかれば実際の計算はせずに次の問題、という形で進めたので実質1.5回分ぐらいの演習量だと思います。


【受験の印象】

一言でいうと「時間が足りない」です。第1問から順番に解き進め、第3問に手間どり多くの時間を費やしました。第5問については、苦手だなと思っていた損益計算書と貸借対照表のセットが出題され、時間もなく焦る中で手探りで解いているうちに試験終了の合図を聞くこととなりました。


2.第149回受験

【使用テキストと問題集】


①桑原知之 「サクッとうかる日商3級 商業簿記 テキスト+問題集」ネットスクール2016年 ※2019.03現在、下記改訂版となっています。




②桑原知之 「サクッとうかる日商3級 商業簿記 本質理解問題集」ネットスクール2016年 ※2019.03 現在、下記改訂版が出ています。
★★




③TAC簿記検定講座 「第149回をあてる TAC直前予想 日商簿記3級」TAC出版2018年
    ※2019.03 :現在 最新版 第152回用。






④無敵の簿記編集部 「無敵の簿記3級 第149回直前総まとめ」 TAC出版2018年
 ※2019.03 :現在 最新版 第152回用。




【試験勉強】


試験勉強は4月下旬から再開しました。
まず、前回試験勉強時によくわからないままに終わっていた「繰延べ」「見越し」「再振替仕訳」あたりの理解から始めたいと思い、前回買ったテキストを読んでみたのですが、いまいちピンときません。
また、前回過去問に取り組んだ際にかなり難しく感じたため、過去問よりレベルの低い基本問題集のようなものをやって基礎固めもしたいとも思っていました。
そこで、書店に行き、いろいろ見比べた上で選んだテキストと問題集を新たに買い求めました(上記4つ)。


★各書籍の使い方

①…4月下旬から5月上旬に一回、その後すぐ3日間程度でもう一度読み通しました。
  この本、動物キャラクターの入った図がいっぱいで漢字には読み仮名もたくさん入っています。家族に見せたら、その可愛らしさに「小学生向けの本??」と笑われましたが、私には前回使ったテキストよりわかりやすくとても助かりました。専門的なことを初心者にこれだけわかりやすく書ける著者の先生を尊敬します。

②…①を読み終わった直後から10日程度で一回、その後すぐ5月下旬にできなかったところだけ10日間程度で一通り解きました。本質理解というだけあって基本的な考え方から勉強できました。ヤマかけだけに頼らない受験対策ができます。

③…4月下旬から、まとまった時間のとれる日に時間を計って解きました。最初は2時間かかっていましたが、最後は70-80分程度で解き終わることができるようになりました。全4回分の予想問題を試験までに各5回ずつ解いたところで受験日を迎えました。
勉強に際しては、問題用紙はスキャナでデータ化して、毎回印刷して使用、解答用紙はダウンロードできたのでそれを使いました。
この本には受験テクニックも載っており、この内容を知らずに受験していたら今回も落ちていたのではないかと思います。

④…③と同じような内容も入っていますが、③と本書で得たテクニックで一気に解答時間の短縮をすることにつながりました。なお、そのテクニックはよく見ると前回買った②の過去問にも載ってはいたのですが、当時は勉強不足だったせいで重要性がよくわからず、自分のものにすることができていませんでした。仕訳ランキング表は切り取ってチェックに使いました。

【受験の印象】


第2問は自信がなかったものの、全体的に「わかる」と感じました。また、ひととおり解答を終えてから30分近く時間が残っていたため、全体の見直しとともに、最後は自信のない第2問について時間をかけて検討することができました。



3.まとめ

【受験テクニックについて】

知っているか否かで勝敗が分かれると思います。私の場合は、今回③と④の本を読んだことで目からウロコが落ちたといってもいいぐらいです。試験問題を解く順番も重要ですし、特に重要だと思ったのは、仕訳をTフォームを使わず、表の横に直接整理していく方法です。受験テクニックとしては有名なようですので、ある程度勉強されている方だとご存知の方も多いと思います。

私はこのやり方の重要性がよくわかっておらず、最初の受験時にはすべてTフォームを作成して計算していました。しかし、これは間違いも多くなる上にとにかく時間がかかります。テクニックが使えるか否かで解答に必要な時間が全く変わってきます。私の場合、このやり方が今回の試験の勝敗を分けたと思っています。

ご存じない方のために、どんなものなのか概略だけご紹介します(Tフォームについての知識がある方を前提とします)。
例えば、下記はある問題の一部です。表の左右に数字の書き込みがあるのがわかるでしょうか。これは下の決算整理事項から判断して書き込んだ数字です。やり方の詳細は割愛しますが、こんな感じで精算表の作成も可能です。こうして整理するとTフォームを書く必要もないため、試験時に配られるメモ用紙はほとんど白紙のままで終わることができます。




【勉強に関して思うこと】

この試験の勉強は正しいテクニックを用いてしっかり演習を繰り返すことが大事だと思いました。
初回受験時は、勉強期間が足りなくなってしまったこともあり、なんとなく解き方が分かれば、後は省略してさっさと次の問題を解いてみる、というやり方ですすめていたのですが、結果的に自分の計算能力も把握できず、本番では時間配分ができなかった上、計算ミスも複数発生しました。

今回は、問題用紙も毎回コピーを用意し、本番のつもりで書き込みながら勉強しました。なお、③は予想問題4つを各5回やりましたが、受験日までにどれも8~9割はとれるようになったものの100点は一回もとれない状態での受験となりました。

また、テキストについては、自分に合うものを選ぶことも重要です。この試験に限りませんが、あることを理解するのにどんな形で覚えるかは人それぞれです。皆が良いというものが必ずしも自分に合うとは限らないと今回改めて実感しました。



次回受験の方、ぜひ合格を勝ち取ってください。